読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

「イミテーションゲーム・ゲーム」あなたが変わっているからこそ



先週の話なのですが「イミテーションゲーム・ゲーム」観てきました!封切り直後はどこもかしこも満員御礼な感じで、アカデミー賞効果すごいねーと。今をときめくカンバーバッチ主演だしね。

第二次世界大戦中の英国。数学者であるアラン・チューリングは英国軍の機密機関で働くようになります。そこで行われていたのは、ドイツ軍の暗号「エニグマ」の解読作業。学者としては抜きん出ていても人とコミュニケーションを取るのが苦手なアラン、最初は反感を買うものの、理解者も現れ、次第に信頼を得て行きます。しかし彼には守らねばならない秘密があり…

というお話。非常に面白かったです。原作の伝記がちゃんとあるのですが、読んだこともなくて、アラン・チューリングという人も初めて知りました。コンピューターの基礎を考えた人だそうです…ってすごい偉人じゃないか!!

しかし国の機密事項に関わっていたため、エニグマについての彼の仕事は一切伏せられ、英国がそれを認めたのはつい最近のことです。それまでは、数学者としての功績が研究者の中で知られている程度だったのですね。あ、あと、彼の秘密も有名な話だそうです。

そんな風に何も知らずに見たのですが、ちゃんと楽しめました。むしろ知らなかったことが功を奏したんじゃないかなー。
カンバーバッチが本当にはまり役で、文句なく素晴らしかった。シャーロックといい、チューリングといい、変わり者学者にピッタリハマるよねえ。そして、彼を凌ぐ頭脳を持ち、彼の最大の理解者となるジョーン役のキーラ・ナイトレイも良かったです。彼女はこの手の自立した進歩的な女性を演じるのが本当に似合う。考えようによっちゃ、パイレーツオブカリビアンと変わらないじゃん!ってキャラ設定なんだけど、それでも良いです。あの意地悪顔がいいのかなー。

映画では、3つの時間軸が同時に進行します。チューリングが寄宿学生だった頃、戦時中、戦後。
エニグマ解読そのものよりも、おそらくそれを通してアラン・チューリングその人の人生にフォーカスを当てた内容だったと思うんですが、いかんせんエニグマ解読という途方も無い作業に取り組むチューニングと仲間たちの姿がドラマチックで、かつ、軍事機密であるゆえに非情な決断を迫られること、自らの倫理観よりも国益を優先せねばならないことなどの任務の重さに気持ちが行ってしまい、チューリングその人についてが少々おざなりになってしまったかなーという印象。かといって戦争映画らしい戦争映画でもないので、それとしてはちょっと軽すぎるかな、と。

この映画ね、とても良いテーマを持っているのですよ。女性や社会的弱者やマイノリティの社会進出や自立、あらゆる考えの人を尊重すること。能力を認め、多様性を認めることが、より素晴らしい未来につながるという強いメッセージを持っているにも関わらず、面白かった!で終わってしまうような映画になってしまっていて、楽しめるのは全然悪いことじゃないんだけど、勿体ないなーと思った。詰め込みすぎなのかなー。テンポがよすぎるのか。

男だらけのチームに加わった紅一点のジョーンが、チューリングの最大の理解者となるのだけど、失意の彼に向けた彼女の言葉がとてもよかった。
「あなたは普通を望むかもしれないけど、あなたが変わっているから、世界はこんなにも素晴らしい」
って、要約ですけど、チューリングの抱える秘密や苦悩を知りつつも、この言葉。これがこの映画の全てを物語っている気がする。人と違った自分、異質である自分、それを丸ごと受け入れる、むしろ、人と違うからこそ素晴らしいんだ、というメッセージ。それでもチューニングの孤独や喪失感は癒されなかった訳だけど。
そんな感じで、この2人がとても良かったので、ジョーンとチューリングの物語をもっと見たかったなーと思いました。

余談ですが、チューリングと同じチームのヒューを演じるマシュー・グードがですね、「シークレット・ガーデン」の伯父さん役の印象が強くてですね、いつヒューの秘めたる狂気が表に出てくるかとハラハラしちゃったよね…無用すぎる心配だったけども…
脇を固める役者さんたちもとても良かったです。

しかし今年のアカデミー賞は粒ぞろいだったんだなー。2014年は映画の当たり年だったのだね、としみじみしたのでした。

 

エニグマ アラン・チューリング伝 上

エニグマ アラン・チューリング伝 上

 

原作本も読んでみたいなーと思ったら、ハードカバーだけどありました。
が、値段……!これは悩む……

 

英雄たちの朝 (ファージングI) (創元推理文庫)

英雄たちの朝 (ファージングI) (創元推理文庫)

 

そして、英国戦争ミステリーといえばこちら。もしもドイツが戦争に勝っていたら…?という歴史改変もの。
3部作なのですが、このシリーズは本当に面白い。

 

忘れちゃいけない、カンバーバッチといえばシャーロック!こっちの髪型の方がカッコよく見えますね。チューリング役は美男っぷりがあまり感じられない役だったような。
そしてこちらのシーズン3、まだ観てない!観なければ。